アマンダおばさんの
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11月17日(金)

飼い主さんとの別れ

 ワンコが亡くなることは飼い主様にとってつらい悲しい出来事であるが、逆の場合で飼い主さんが亡くなることもワンコにとって心の痛手になるようだ。ある方からお聞きしたエピソードより思った。
 当方から何頭か子犬をお譲りしたIさんから数年前ご近所さんが里子を希望している事を知った。早速プードルレッドの引退犬をご紹介した。間もなくお出で願ってお見合いとなった。ご主人は大事な家族の一員になる子を迎えるのだからと、礼を正し、スーツを着て来られたそうだ(後でIさんから聞いた)(^.^)。優しそうなご夫婦でこの方たちならきっとワンコを幸せにしてくれると直感した。大事そうにワンコを連れてお帰りになった。
 ところが環境が変わったためか、サークルから一歩も出て来ない。また、食欲もないとの事。5,6歳で里子に出すケースではよくあること、そのままスムースに懐く場合もあるのだが大方はこんな感じだろう。私はそのままワンコにご家族の様子を観察させてください、と話した。もらわれたワンコにだって人格(犬格)はある。急に違う場所に連れていかれて「懐け」と言われてもそう簡単に馴染むわけはないのだ。
 紹介したIさんも心配で、近所と言う事もあり懐くようにと日参されたようだ。そうしたところ徐々に慣れてきて、毎日の散歩も楽しみとなり、ご夫妻にとってなくてはならない存在になった。特にご主人様とはどこに行くのも一緒だったそうだ。
 あれから数年、あの里子のプードルは元気ですか?と紹介者のIさんに尋ねたところ、つい最近ご主人さんが亡くなったと言う。穏やかそうなご主人だったな~と、悲しく思い出していると、Iさんはこんな話をしてくれたのだった。 大好きだったご主人さんが末期癌で急逝した時、里子犬は懸命にご主人様を探したそうだ。いつも一緒だったのだから無理もない事だろう。家の中を探しまくっては、いないとわかり元気をなくしてしまった。 ところが、お葬式が終わり仏壇に遺影の写真を置くと、ワンちゃんはご主人さんを見つけたと思ったのだろう、一生懸命写真の顔を舐め始めたのだそうだ。 ワンコにも写真の顔がわかるのだろうか、そんな話を聞いた時私は健気で一途なワンコに改めて感動させられた。
 里子でもらわれていった時はしばらく怖い気持ちで震えていた子だっただろうに、これほどまで愛情をかけて家族の一員にしてくださった里親様には感謝以外の何物でもない。きっとご主人様も天上で目尻を下げながらワンちゃんの様子を眺めている事だろう。ワンちゃんが天国に来たら「また会おうな」、と言って・・・。

   
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