アマンダおばさんの
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1/10(火)

<チワワのキャビア> 

 2006年が明けました。昨年中もわんこを通して多くの方々とのご縁があり親交を結べましたこと、深く感謝申し上げます。実父の死去に伴う喪中にも拘らず今年もたくさんの方からお譲りさせていただいたワンちゃんの映像の載った賀状が届きました。一枚一枚拝見させていただくとどんなにか大切に可愛がって頂いているのかがよくわかり、ほのぼのとした気持ち一杯にさせていただきました。少しなりとも皆様の御家庭のお役に立たせていただいたことを嬉しく思うと同時に、この紙面をお借りし深くお礼を申し上げます。時間がかかるかと思いますが、メールや賀状の返信のお便りを少しずつしたためたいと存じます。
 昨年末までに、40万件アクセス記念の当犬舎特製カレンダーも無事皆様方にお送りすることができました。主人の手作りですがお部屋の隅にでも下げていただければ嬉しく存じます。わんちゃんの映像をご協力くださった皆様には心から感謝申し上げます。中に全くの見ず知らずの方からもご応募がありカレンダーのお礼にと、ご丁寧にも素敵なクリスマスのCDをお送りいただきました。日頃の辛い思いを一瞬なりとも一掃でき、そしてそのおやさしいお心使いにちょっぴり涙ぐんでしまいました。こんな素敵なお出会いができるのかと・・・まだまだ世の中捨てたものではないと・・・。素晴らしいハーモニー有難うございました。
 年末から正月にかけて三々五々に散らばっていた4人の子供たちが集まってきた。主人の愛犬キャビア(チワワ BT)は、猫のような性格で、日頃24時間もべったり一緒のはずの私にはまったくそっけなく、「おいで」といっても知らんふりなのに、たま〜〜に帰ってくる長男、次男、三男には目を輝かし、尻尾ぶんぶん仰向けポーズにぺろぺろ攻撃でwelcome partyを繰り広げる。たまった話題でひとしきり話をしている彼らのジーンズは気がつくとキャビアの涎と唾でびちょびちょだ。もともと長女に懐いていたわんこで行く先々ついていったが、長女の嫁入りで再び我が家に出戻ってきた。長女に捨てられたキャビアは、今度こそしっかりご主人様を捕まえておかなければ、と新たなご主人様を「主人」に決めたのだ。以来キャビアと主人は誰もが認める相思相愛の仲。主人が仕事で留守の間はクレートの奥にこもりっきり、時折上目使いでチラッと見るだけで私にはちっとも懐かない。一度もたたいたことなどないはずなのに・・・。キャビア以外のわんたちには韓流のスター並みにもてもてのわたくしめなのに・・・なぜ? <時々発狂するのをじーっと観察していて「危うきに近寄らず」と思っているのだと思います、ハイ> そのキャビアも主人が帰ると人(犬)が変わったように可愛い子ちゃんに大へんしーん、早速にぺろぺろ大作戦が始まるのであります。キャビアが向いている方向を見れば今主人がいる場所がわかるほど一時も離れたくない彼女、ゴールデンのシオンとコーギーのボニーが亡くなって以来いい年した男一人が散歩するのは怪しがられると、キャビアをだしに抱っこしては朝散(朝の散歩)をしている主人なのです。
 そのキャビアにちょっとした事件が起きたのは今から2年ほど前だった。ちょうど冬休みで帰省していた長男が一緒に連れてきたダックスの愛犬「花子」をキャリーに入れ、共に大学先に帰った時のことだった。「じゃあねーげんきでね」と玄関で別れたあとしばらくするとキャビアがいないのに気がついた。ソファーの下からカーテンの陰、トイレの中からキャビネットの脇、はたまたゴミ箱の中(極小犬なので入るのだ)と、殺気立って探しまくった。その勢いは見つからない度合いが高まるに比例して上昇していった。えー!家にはいない!何で外に出たんだろう。どうやって外に出たんだろう。不思議だ。日頃ワンコが玄関から出るのを防ぐため必ず「戸は開けたら閉める」、を慣行しているというのに・・・。記憶をたどっていくとさっき出て行った長男に行きあった。確か長男は荷物を、乗せてもらう車につける際、玄関の戸を開けっ放しで出し入れしたなー、っと。そうだ、きっとその時にキャビアが出て行ったのだ。そうだ、それに違いない、と確信した。そう悟るや否やつっかけ一つで外に飛び出した。こういうときは一刻を争うからだ。以前お産をして2週間が経ったばかりのプードルの若きお母さん犬が日光浴のついでに脱走してそのまま失踪してしまった悲しい事件を思い出した。またかよ、と思うと気が狂ったように捜しまくった。が、車で探しても見つからない、自転車で回っても姿無し、名前を呼んで歩いても現れない・・・。次第に蒼くなってきた。すがる気持ちで交番に訴えたが、「チワワですかあ〜?」「チワワはたぶん出て来ないと思いますよ〜」「人気犬種ですからね〜。」(注;その頃は人気だった。)とのたまった。蒼を通り越して白くなりフリーズした。 マザーグースの歌「♪Little Bopee has lost her sheep♪」 の悲しいメロディーがBGMに浮かんできた。キャビアは極小なので繁殖は考えていない、ペットのみのわんこだ。さっぱりなついてもいない、だがしかしあの小さい子が車の往来の激しいこの近辺で無事であるはずがないと思うと胸が張り裂けそうになった。知らせを聞いた主人もラジオにお尋ねわんこで出してみるからと言った。憤懣やるかたなき私は新幹線の駅にいるはずの長男の携帯に電話した。「Kがドアを開けっ放しにしたからその隙にキャビアが外に出ていなくなってしまったんだよ!」と開口一番どやしつけた。さっき流した?別れの涙などどこ吹く風、あれほど日頃からドアーは閉めとけと言ってあるのに・・・と思うと、愛しい我が子が掌を返したように憎っくき輩に思えてきた。「へえ〜つ 、どこに行ったんだろうね」と長男も心配声。電話を切るや否や動物保護センターに問い合わせた、が通報なし。 5分も経っただろうか携帯が鳴った。長男からだった。長男;「キャビア、花子と一緒にキャリーに入っていたよ」 私;「えーつ、なんで〜?どうしてそこにいるの?」 長男;「キャリーの中を覗いたら目が4つあったんだ。どうした訳かキャビアの目と目が合ってしまったよ。」 私;「え〜?いつの間にキャリーに入ったんだ?」 長男;「家を出る時でしょう。そう言えばなんだかいつもより重いし、花子が一頭だけのはずなのにウウーって唸ってたな〜」 それを聞いた私は、ほ〜っと安心すると共に思わず笑ってしまった。そして名探偵ポアロ宜しくいきさつを推理した。日頃から狭いところが好きなキャビアは花子が帰る準備をして開けておいたキャリーの扉から知らぬ間に中に入った。それとは気づかない長男はキャリーに花子を入れそのまま駅まで持っていった・・・というわけだ。もう、お騒がせ犬なキャビア、この〜! 新幹線は既に出発の時刻、キャビアはそのまま長男のマンションへと連れ立って行ったのでありました。その後キャビアは3ヶ月程長男の居候となった。仙台に戻った生活はご主人様が帰宅すれば、愛情表現よろしく彼の足をペロペロ舐める毎日である。
 今年もいろいろ「事件」ができ沸くことと思いますが、ほどほどにして下さいませ、ワンコたち。



1/19(木)

<犬舎の見学> 

 HPで予めお断りしてあるので今は犬舎内を見せて欲しいという要望はあまりないが以前はよくあった。私もできればゆっくりご案内してその後一緒にコーヒーでも囲んで四方山話をし優雅なひと時を過ごせたら、と思うこともある。だが現実にはかなり難しい。過去の経験から、外から来られたお客様を犬舎内にお入れすることは不本意ながらわんこたちにいろいろと支障を来たしてしまう。ワンコというものは見知らぬ人がバリアー内に入ってくるととたんに興奮し身構え吠える生き物だ。1頭飼いなら何とかなるが、数がいるとすごい騒ぎになる。話など聞こえない。またリビングにはお産前の目が離せない妊娠犬及びお産後の親子のサークルが並んでいる。ワンコの場合予定日より3日以上早く生まれると未熟児で育たない。従ってやたら興奮させて流産させたくない。お産をした後の母犬はより以上に神経過敏になる。以前訪問されたお客様をリビングにご案内し話をしていたことがあった。1日前に赤ちゃんを産んだダックスのお母さん犬を念のため隣の部屋に移しておいた。話の最中何だかふんふん言っているなーと気づいてはいたが1時間も経っただろうか、来訪者がお帰りになった後様子を見に行くとサーっと血の気が引いた。何と子犬の全員がこの世の生き物ではなくなってしまっていた!親犬が我が子に何をしたかはご想像にお任せするが、親犬の防衛本能のなせる業なのだろう、しかし決して特異な例ではない。他のブリーダーからもよく聞くことだ。5頭生まれたはずなのになぜか4頭しかいない、ということもままある話。比較的平和主義のプードルには我が子を殺戮する例は少ないが、それでも子犬を振り回して子犬を衰弱させ血尿を出させて死に至らしめた例は何回かあった。ワンコは聴力が発達しているので同室でなく隣の部屋でも危ないのだ。
 また犬舎内は常に感染症の防止に神経を使っている。外からのウィールスの搬入は極力避けたい。犬舎を訪れる方々は当方だけではなく他の犬舎やペットショップを経由して見学に来られるケースがある。そうした場合他で触れた手指を通して間接的に当方に感染してしまう場合がないとも限らない。パルボなどはほんのちょっとの量でもうつってしまう。私などは動物病院に行くときには必ず消毒液を浸した雑巾を持参する。なぜなら病院は病気や感染症のデパートのようなものだからである。ドアーは触れたくないものの一つだ。だがドアーを触らないと中に入れない。仕方がないから触って入った後、持参した雑巾でこっそり手指を消毒する。診察台にワンコを乗せるときはその前に「しづれいすます(注;しつれいします)」と言って新聞紙を広げる。いくらその都度台を消毒してると言っても信じない。時々忘れる看護士がいるからだ。私が行っている2箇所の病院はこうした行為を拒否しない、よく理解してくれている。こんなことで文句を言う病院は行くのを止めた方が良い。大事な子犬を預かっている場合は尚更だ。子犬の健康診断に行って感染症に罹るくらい馬鹿げたことはない。注意して注意し過ぎることはないのだ。
 7、8年も前のことだったが、ある家族が子犬を見せて欲しいとお電話で申し込んで来られた。リビングに入っていただきお目当ての子犬をお見せした。「ちょっと抱っこさせてもらえますか?」とおっしゃるので「ええ、いいですよ」とにっこり微笑んで言った。確か5人家族だったと思うが、家族がかわるがわる子犬を抱っこした、そしてどうも子犬のことが気に入った様子だ。どんな環境でお飼いになるのか知っておこうと「ワンコを飼った経験はおありですか?」と聞いた。すると御主人が「ええ、ほんの1週間前まで飼っておりました。」と言う。「ああ、老衰か何かで亡くなったんですか?」と続けてお尋ねすると、「いえ、子犬をペットショップから買ったんですけどね、パルボで死んでしまったんですよ。」と言うではありませんか!! それを聞いた私はびっくり仰天、まるでテレビや映画のカラー版が一変して白黒のモノクロ、セピア色に変わるがごとくに景色が変わってしまった。周知のごとくパルボや他の伝染病は発症してウィールスが流出したあと少なくとも半年はウィールスが生き続ける。1年後でもうつる可能性がある、と言う人もいるくらいだ。家中をビルコンなどで徹底的に消毒してもなくならない、丸ごと家を焼かないと壊滅は難しいという説さえある。 そう思うと間接的にウィールスを付けているかもしれないその家族の一人一人が悪魔の手先に思えてきた。そしてどうして子犬を触らせてしまったんだろうと深く後悔した。だが後の祭りだ。家族には伝染病の恐ろしさを伝え、お宅でもあと半年は子犬を購入しない方が良いですよ、新しい子犬がまた罹ってしまいます、と言って早々に退去していただいた。 が、その後が大変だった。家族が手に触れた玄関のドアーはもちろんのこと、ここにも触れただろうと想像するところはすべからく消毒した。座ったカーペット、抱っこした子犬のサークル、体をビルコンの雑巾で拭いてもちろん子犬も消毒した。症状が現れるまでの1週間の潜伏期間は戦々恐々たる思いで毎日を過ごした。幸い子犬にうつった形跡はなく、何事もなく無事に済んだ。が、以来犬舎を訪ねてくださるお客様には誠に申し訳ないことだが、見学は玄関先のみにさせていただき子犬には一切触れずにご覧いただくことに決めている。
 子犬の可愛さが伝わりにくく御不便をおかけすることにはなるが、こうした配慮がお客様相互の安心にもつながっていくのではないかと、そう思うのであります。




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