アマンダおばさんの
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10/6(木)

<わんこの輪>

 昨日はフルコースの一日だった。朝1番で子犬の空輸のため空港行き、帰ってきてお昼前東京から子犬を見にお客様来訪、午後からわんこの世話をしようとしたら2週間前に出産した母犬の陰部から大出血、どうも膣脱らしい、緊急に病院に連れて行って手術する。夕方東京に送る子犬達数頭を洗い準備をして西濃に連れて行く。 しかしながら合間にちゃんと親犬の日光浴、糞尿の始末、食事の世話子犬のケアー全部出来たのは主人の協力のお陰だ。主人は自営(会社経営)のため自由がきく、緊急の場合は携帯ひとつで飛んできてくれる。有難いことだ。母の所に行ったのは結局8時を過ぎていたがお腹がすいてありあわせの物を食べていてくれた。文句ひとつ言わない母にはたまた感謝!
 ここ1週間子犬のお引渡しが続いたが、その方々の何人かが以前当方より購入いただいた方達からのご紹介であることに気がつかされる。今日来られた方は当方から3頭お譲りさせていただいたH様からのご紹介で来訪されたのであるが、ご夫妻でご旅行のついでに立ち寄ってプードルの子犬をご覧になり決めていただいた。ご自宅の階段を一気に駆け上れるようなしっかりした子がご希望ということでトイサイズのレッドの男の子をご予約くださった。やさしい感じの明るい奥様でこのご家庭ならきっと幸せになるだろうと予感する。ご旅行の帰りに子犬を連れて帰られる。
 1昨日はやはりオス1頭、メス2頭をお求めいただいたことのあるU様のご紹介でプードルレッドの女の子を譲渡させていただいた。U様は長野県でダウン症や自閉症などの障害を持つお子さんをケアーする施設を経営されている方だ。施設にワンコを入れることによって生徒たちが生き生きとしてきたとご報告いただいた。皆がワンコを連れてお散歩に行きたがるという。また自閉症の子供は反響言語(いわゆるおうむ返し)の症状があるが、ワンコは言葉を発することがないのでワンコと関わっている内に次第におうむ返しが減ってきたのだとお話いただいた。お譲りしたワンコが少しなりともお役に立てて嬉しい。 U様は他に進学塾を経営され、月に何度か講演にも出かけるという。わたしより5歳も年上のお姉さま? なのに本当にハイパワーウーマンだ。私もまだまだ精出さねば・・・。 U様のご紹介でご訪問下さったのは全国に支店(部)のある大きい会社の社長様T様だ。宮城県にも支部があるということで仕事のついでにたびたび子犬の見学に訪れていた。すでにわんちゃんのためのお部屋も増築し準備万端とのこと、ゆくゆくは自社のテレビコマーシャルにこのレッドの子を採用したいと計画を立てておられる。ひとつ楽しみが増えた。いつ画面に登場するのかわくわくしながら待っていよう。チワワのクーちゃん並にフィーバーするのかな〜・・・。
 4日前にはアメリカ人のS様が子犬を引き取りに新幹線で見えた。ブラウンのプードルオスの子だ。以前当方よりレッドの男の子をお求めいただいたJ様のご紹介だ。J様は東京でシュタイナー方式のインターナショナルスクールを経営されている。やはりわんちゃんをペットとして可愛がるだけではなく教室の教材として導入されているようだ。 ご紹介のS様は全く日本語が分からない方である。1ヶ月前から英文でのやり取りが続いた。HPの「譲渡までのご案内」を始め、ご予約の時にお渡しする「確認書」を英訳するのにかなりの時間を要した(米国人の知り合いにちょっと手伝ってもらったが)。しかして努力のかいあってか富沢駅で子犬をお引渡しするとHe’s so beautiful 、adorable !!と感激して喜んでいただいた。帰宅後早速に以下のお礼メールが入った。

Dear Seiko,
Hi there.  I just wanted to send you a note to say that Mocha and I had an easy trip back to Tokyo.  He calmly sat on my lap with a blanket during the whole trip. 
Since then, we had a wonderful first day with him.  He is learning quickly to train on the sheets outside on our porch and seems very smart.  He seems to recognize his name. 
He is very playful with the kids and is always wagging his tail, so I think he is very happy.  And he slept quietly all night without any crying!
He hasn't been eating that much.  I have been mixing the dry and canned dog food, but he seems to prefer the canned.  I will keep trying to get him to eat more.  He is drinking up the milk.
We are all completely in love with him.  He is so beautiful, adorable and sweet!!!
Thank you...thank you...thank you..... I will send you photos soon, so you can see him with the children!!

 ワンコの希望者をご紹介いただくということは双方に当方の責任が生じる。今後もご紹介いただけるに相応しい犬舎作りと人の和を広げていきたいものだ・・・。


10/16(日)

<ブリーダーという職業>

 アシスタントのYさんが体調悪く朝欠勤の連絡が入った。この日の予定は・・・と連絡ノートを見ると交配予定のワンコが2頭いた。Yさんに代わって私が交配をすることになった。ナーサリーの子たちの世話を終え夕方まずダックスのチョコタンパイボールドのビンゴとブルータンパイボールドのアリーアの交配を行った。日頃大人犬の管理はYさんとMさんに任せているので、ビンゴに面と向かうのも久しぶりだ。種オスのワンコは通常普段慣れていない人の介添えには違和感を示すものだ。うまく事が運ぶだろうかと懸念したが、5分もしない内にそれが取り越し苦労だとわかった。交配の適日なのだろうメスの強烈なフェロモンにビンゴは興奮して突進していった。数回のチャレンジの後みごとに成功。ビンゴをアメリカから購入したての頃は、外玉(陰茎が中まで入らない状態)になって押さえておくのに必死だったことを思い出した。今ではかけらもないほど熟達したのだなあと感慨を覚えた。20分ほど連結し、メスから離れたあとビンゴを見た。久しぶりで会うのにちゃんと覚えているのだ。目と目が合うと恥かしそうに、嬉しそうに尻尾を振って匍匐しながら近寄ってくる。「いい子だね〜」と頭を撫でてやるとひっくり返ってお腹をみせた。ヨーキーのロロも御年9歳にもかかわらずちゃんと交配してくれた。年はとっていても愛くるしいお顔と毛質、犬質の良さはそのままで親孝行をしてくれる。
 Yさん、Mさんの仕事ぶりを見なくとも犬舎のわんこたちの様子や気性を観察すると、大方の様子が一目両全にわかるものだ。時折ワンコ同士の喧嘩で「こらーつ」と静止する声が聞こえるが、わんこ達の扱いは威圧的でなく、かといってわがまま放題にしているわけでもなく、民主的に世話をされていることがよくわかる。皆がのびのびして仕合せそうだ。屈託なく純粋なその姿に「この子(達)を不幸な目に合わせては決していけない。幸せに一生を全うさせてやらねば」と改めて使命感を感じた。今ダックスは厳しい現状である。4歳を過ぎたワンコはペットで可愛がっていただける暖かいファミリーに無料でお譲りしている。里親サイトで募集もしている。一生集団でいるより1頭で(あるいは少数で)可愛がってもらったほうが幸せに決まっているからだ。だが、よほど信頼の置ける方でない限り繁殖の人には渡さない。不幸な目に会っているワンコを数多く聞くからである。ただ全員が譲渡できるとは限らない。経済面を含め老後その子たちをどうケアーしていくかが大きな課題になる。
 数ヶ月前ある方から電話があった。ブリーダーを始めたいのだがプードルの成犬を安く譲ってくれないかとの問い合わせであった。それを聞いて私はちょっと腹が立った。確かにプードルは人気犬種だ。一頃ほどでないにしてもその利発さ、毛が落ちないことなどの利便さでまだまだ注目を浴びている。成犬を飼えばすぐにでも子犬が取れる。可愛がることが前提だとしても成犬が欲しいという心理構造の中にはお金儲けの意志が働いているといって良い。だが、お金儲けのためにブリーダーを始めたとしたらいつかきっと挫折する時がやってくる。ブリーダーは総じて儲からない仕事だからだ。そんなことないでしょ、うん十万と価格表示されているでしょう、と言うかもしれない。見た目には良い商売のように見えるかも知れない。しかし、1頭の子犬を譲渡できるまでにどれだけの半端でない経費がかかるか忘れてはならない。フード代、薬代、医療費、糞尿処理費、トリミング代、電気代、水道代、灯油代、犬舎建築ローン、人件費、広告料、雑費・・・と果てしなく続く。ブリーダーを始めたひよこの頃、先輩から「ブリーダーは儲からないよ」と言われた言葉が今よく理解できる。信じられないかも知れないが「道楽」と言う言葉が一番ぴったりだと感じる。通常の仕事ではオフがある。だがブリーダーにオフはない。年がら年中ワンコに心向けていなければならない。気が抜けない仕事なのだ。予想もしない疾患や怪我、病気をする。人間のわが子達はほとんど病気らしい病気をしたことがないのに、わんこでは週に何回か病院にご厄介になる。お小遣い稼ぎになるかどうかはわからないが、少なくともブリーダーを職業とすることは傍で考えるほど甘くない。
 利益というのはそのワンコを子犬の頃から愛情をかけ慈しんだ結果、お礼としてワンコから提供されるご褒美ではないだろうか。いわば「鶴の恩返し」のようなものだ。  親孝行してくれる期間もあるがその後に続く長い引退の時期のケアーも頭に入れておかなければならない。ワンコを儲けの対象として考える輩には???を禁じえない。全財産をかけてワンコを守る決意がなければやってはいけない職業だと思う。



10/21(金)

<身近な運命共同体「夫婦」について>

つたないダイアリーにも拘らずワンコのこと、夫婦のこと、そして子供の教育について参考になる、と過分なメールを頂戴する。書かれている内容は全て自分が経験したもののみで、受け売りや模倣は一切ないことは自慢?できるが、もっと素晴らしいブリーダーさんやご夫婦、お子さんがおられると思うと私ごときが云々することが正しいのかと自問自答することがある。しかしこの場はもともと自己本位な?単なるダイアリーである。「そうだろうか?」と思うときにはどうぞ笑い飛ばしてスキップしてくださいませ。
 最近も夫婦の受け止め方また子供の教育について励ましメールをお寄せいただいた。巷では離婚が流行っているそうだが、たぶん私達夫婦はしないだろうし、子供たち4人もSO FAR(今のところ)少なからず非行や、ニートになっていないと言う点で、また先を歩んでいる者として少しなりともどなたかのお役に立てることがあれば幸いと、恥ずかしながら体験談を書き続けることに致します。今後もブリーダーとしてのダイアリーのみならず、私が実際の経験から感じている夫婦のあり方、子供の教育について、母親の立場からそして15年ほど学習塾で教えていた経験から、失敗談も踏まえつれづれなるままに書き留めていこうと思う。
 昨今「2007年問題」「熟年離婚」という言葉が取り沙汰され、団塊の世代の夫婦のあり方が問題にされている。また先週からこれに関するテレビ番組もスタートした。が熟年に限らず夫婦はお互い相手への感謝の気持ちがなければ決してやっていけないと思う。もともと他人同士が一緒になるのが夫婦だからだ。よく離婚の原因にあげられるのが「性格の不一致」だが、性格が一致する夫婦などもとから存在しない。人間は夫々が違う個性の持ち主だからだ。世の中に完璧などないのだ、むしろ相手をどう見るかにかかっていると言って過言でない。ある人にとって金に写ってもある人にとっては銅にしか写らない。見方によって金にも銅にもなってしまうのだ。うまくいかない原因は相手にあるのではなく、案外自分にあるのではないかと考えてみる。与えられているものは当然で、足りないものばかりに目がいくのであれば行き着くところ満足は永遠にやってこないのではないだろうか。
 また夫婦は一対の反射鏡という。ご主人が取る行動の一端は奥さんの反映だとは考えられないだろうか?相手に不足を思う自分は実は相手と同じレベルなのだ。ご主人がしてくれた小さいことにも奥さんが感謝して恩を感じて接していたならばきっと状況が異なるに違いない。きっとご主人も変わるだろう。私の主人は良いひとだ。だがしかし完璧に満足しているわけではない。時には「こうだったらいいのに」とか「こういう点が足りないのよね」と不足に思う。が、一歩下がって考えた時に、家族のために身を粉にして働いてきてくれることが何と有難いことかと思う。朝起きて傍にいてくれるだけで良かったと思う。生きていてくれるだけで何と有難いのだろうとさえ思う。考えてみると朝「行ってらっしゃい」と送り出して必ず帰って来るという保証はないのだ。交通事故もあれば急の病気、不慮の事故もある。無事に帰宅してくれたことだけで嬉しいと思わずして他に何があるだろうか?コップ半分に入っている水を見て、もうこれしかないのだと不足に思うのと、まだこれだけあると感謝するのとでは結果が両極端に分かれる。何事も一歩下げて考えると不足の気持ちが感謝に変えられる。車をぶつけて修理代がかかった、だが一歩下げ、人身事故でなくて良かったと思うと感謝の念さえわいてくるものなのだ。
 夫婦関係でもうひとつ言える事は「自分の身近なものを否定することは自分を否定するのに等しい」という真理だ。夫を否定する人生は取りも直さず自分の人生を否定することにつながっていく、とそう思うのであります。かつて私は主人に、「仙台人て好きになれない」と言ったことがありました。自分が仙台生まれの仙台育ちにもかかわらず仙台人気質が好きでなく、九州や関東、関西の人の方が好きだと言ったとき、主人は私に向かいこう言ったのでした。「自分の生まれ育った故郷を否定するということは自分を否定することになるとは思わないかい?」と。私は初めて聞いた主人の言葉にこう納得したのでありました。「主人が私を受け入れ愛してくれていたのは妻である私を大切にすることが取りも直さず自分の人生を大切に生きるということにつながる」と思うからだと・・・。
 
夫婦はご縁のあったその日から互いにかけがえのない運命共同体になるのであります・・・。



10/28(金)

<モカのお産で思ったこと>

ヨークシャテリアのモカが初めてのお産をした。小ぶりなお母さんでしかも初産、頭から自然分娩は無理だろう、帝王切開になるに決まっていると思い込んでいた。3日前からダックスのお産が毎日1頭ずつ続いたためか昨晩は泥沼に沈み込むように、という表現がぴったりに疲れきって爆睡してしまった。モカが産気付いたのは午前をまわってからだったと思う。「キーン」とも「グーン」ともつかない声がはるかかなたから聞こえたような気がした。寝ぼけ眼で一応電気ヒーターをサークルの前で作動させた。保温マットはすでに敷いてある。いざというときのために部屋の電気はつけておいた。意識もうろうの中主人が電気を消したのだけはわかっていた。が、何時間かが過ぎたのだろう、朝起きてモカのサークルを見ると嫌な予感が的中した。子犬が3頭生まれていて内1頭は何とか呼吸をしていたが、オスとメスの2頭はすでに冷たくなっていた。胎膜は取り除かれ臍の緒もうまい具合に切ってあった。全く初めての経験なのにモカはちゃんと自分で始末をしていたのだ。その時母親としてきちんと役目を果たしてくれたのに補助をしてあげられなかったことを深く後悔した。保温マットは敷いていたが、子犬が転がっていたところは敷いているところからははずれていた。電気ヒーターもあまり役に立っていなかった。2頭の亡骸をタオルに包みこむと再び気落ちして力が抜けた。この子達が無事に育ったならどんなに素敵なヨーキーになったことだろうか、どんなに喜ばれて飼い主様のもとに巣立って行ったのだろうかと想像した。ふと「主人が電気を消さなければ起きられたかもしれないのに・・・」と思ったが、一方で「いやそんなことはない、電気をつけていたところで起きられる余力はなかったのだ。そんなことで主人のせいにするのはやめにしよう」と思い直した。
 幸いなことに、かすかに息づいていた残りの1頭(オス)は蘇生のかいあって、小ぶりながらも現在モカのおっぱいを飲んで順調に育っているようだ。死んだ2頭の分まで幸せをつかむ「犬生」であって欲しいものである。

 物事は「人」を相手にすると果てしなく不足や恨みが暴走する。だが天を仰いで「大自然」を意識すると不思議なくらいに納得が出来る。要するに「全ての結果には全て原因があるのだ」ということ。この場合、ヨーキーの赤ちゃん2頭を救えない結果に終わったのは原因があったからなのだ。いろいろ考えられるが、一番はキャパシティーの問題だろう。私の今の体力では夜中まで見ていることが出来ないぎりぎりの限界だったのだ。「手に余った」、ということだろう。あるいはもしかして日ごろの行いが悪かったせいかもしれない。が、いろいろな要素が大自然というコンピューターにインプットされはじき出された結果の2頭のロスなのだ、と理解すると妙に納得してカームダウンできた。
 また何のための人生なのだろうともふと考えた。ヨーキー2頭を失ったことは残念なことではあるが、そのために和やかに過ごせるはずの1日の始まりを気落ちして面白くない1日のスタートにしてしまうこと位もったいないことはない。人生は決して長いものではないからだ。父の死後お墓に行く回数が以前に比べて増えたが、以来死後に入るであろうお墓をより以上に意識するようになった。お墓に持っていけるものは何であろうか。お金でもなければ物でもない。例えいくらあったとしてもあんな狭いところには入らない。お墓には「身ひとつ骨ひとつ」で入らなければならないのだ。ただひとつ持っていけるとしたら・・・? それは 「愛」 ではないだろうか? 愛なら決して「かさばらずに」お墓にすっぽり入ることができるであろう・・・。




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