2005年 2/21(月)
<ダックスの赤ちゃん>
離乳食の器に一斉に首をつっこむ赤ちゃんダックス、見ていて心地よい!「健康」というメカニズムにインプットされたひとつひとつの因子が組み合わさって出る行動・・・便;良好、食欲;旺盛、疾患;なし、感染症;なし 元気;一杯
子犬はこれでなくてはいけない。ガマ蛙のお腹になった赤ちゃんダックス、食後の運動にちょっとからかってみる・・まだ生まれて40日そこらで、もう構えている。一歩退き反動をつけてかかって来る・・その真剣な顔つき、あどけないしぐさに思わず目を細める。こんな純粋な世界がこの世の中にまだあったのだ! いつか何処かで出会った牧歌的世界・・・。テレビをオンにすれば毎日のように飛び込んでくる凶悪犯罪の数々・・。人間の子供でさえこれほど純粋な目で見ているだろうか・・・赤ん坊の時代からこうあらねばと理想を求めてはいないだろうか、純粋に「そのまま、あるがままでよし」と思って育てているだろうか。
日々接するわんこの姿を通し、今原点に立ち返り本来の姿を取り戻すべきなのは人間ではないかとしみじみ思います。もともと誰もがインプットされ、生まれながらに持っている善なるものを自ら引き出して・・・。
2/22(火)
<ブラウンのお母さん 2度目の出産>
ブラウンのお母さんjust予定日に出産。
前回の初産の折には大暴れ。突然押し寄せる陣痛の嵐にびっくり仰天し、生まれた我が子に「何だこりゃ?」とまるで汚物でも見る様に他人顔してたお母さん。結局生まれた5頭の育ったのは2頭のみでした。
時折フンフン言うもののさすがに2回目は違ってた。しっかり3頭抱えて世話してる。(♀1、♂2)
自分のお産でふと思う。
初めてのお産と子育ては神経質になっていた。ところがどっこい2人、3人、4人目はお産も子育ても楽しくはまっていった・・・。
2/23(水)
<韓国への思い>
夕食にテグタンスープを作った。スープと言っても具沢山のりっぱなおかずだ。残りごはんにかけていただいくと更においしい(いわゆる「にゃんにゃんごはん」)。日本の韓国料理店でファンになって以来専門店でしか食べられないと思っていたものが、スーパーの食材で十分作れると知ったのは最近のこと。「チゲスープの素」に牛肉、お豆腐、ニラ、モヤシ、葱、椎茸、などを入れ、最後にコーンスターチでとろみを効かせれば、はい出来上がり!料理音痴の私でも作れました。ヨン様以来韓国ブームが続いております。人まねがあまり好きでないわたくしでも例に漏れずヨン様を起爆剤として韓国にはまってしまいました!あげく先月は本場韓国にも足をのばすことになってしまったのです。海外旅行は暇とお金が有る人にとっては今や別にたいしたことではありません、だがしかし、多くのブリーダーにとって;「わんこ」という手かせ、足かせ(だけじゃ足りない・・+頭かせ)でがんじがらめになっているブリーダーにとっては並大抵のことではないのであります。アシスタントのYさん、Mさんに後を任せていくが、それでも滞在中ホテルのデスクにはこうだ、ああだとFAXが届く。想像しただけで疲れてくる。「やっぱりやめとこう」と断念したこともしばしば。しかし今回だけは違ってた。旅行に伴う「重荷」を引き受けた上で行くことを決心したのでありました。行き先は「冬のソナタ」のオプショナルコースではありません。韓国の歴史コースなのでありました。資料館や古宮を見学し、「チャングム」に出てくる宮廷料理に舌づつみいたしました。
どこの国に行っても感じることはその国にはその国が辿ってきた独自の歴史がある、ということです。当たり前、といえば当たり前ですが、十何年前初めてロンドンのセントポール寺院を訪れた時にしっかと実感いたしました。同じ年数を経ながら日本とは全く別個の文化、歴史が展開していたのだと。そしてどんなに文明途上とされている国においてもその国にはその国の貴重な文明が存在するのだ、と思う時、現在イラクでの戦争が終結を見ないでおりますが、どんなに先進国と言われる国であろうとよその国に土足で入り込んでかき混ぜ、破壊することなどとうてい許されないことではなかろうかと強く思うものであります。
アマンダからは過去に3人の韓国の方にワンコをお求めいただきました。が、皆さん、礼儀正しく良い方々ばかりでした。お互いの国を尊重し、敬意を持って接していけばきっと平和な世界が訪れるのではないでしょうか?
2/26(土)
<生きていることの確率>
何日かぶりで晴れになる。このところ雪だったり雨だったりで、外の運動ができず欲求不満ぎみだったお母さんワンコたちは乾いたコンクリートの運動場で狂喜する。室内運動場の一般成犬とお産後のお母さんわんことは運動場を分けている。雪雨はないもののまだまだ東北の2月は寒い。それでも育児から開放されたお母さんわんこはしばしの休暇を思いっきりエンジョイする。
お母さん犬1頭1頭のウンチを確認する。子犬の健康状態は親犬のコンディッションから発している場合が多いからだ。どのお母さんもころころ便だ。ちょっと触れると転がっていきそうだ。この便がなんと有り難いことか! 時にどんな宝石よりも貴重な宝物に思えてくる。
1昨日昨日と連続で夜中のお産があった。ヨーキーの子犬3頭は今の所元気に育っているが、プードルブラウンは難産で3頭のうち1頭は死産であった。物の本によるとおおむね10〜30%の子犬が出産から離乳までに死亡するそうだ。またその65%は生後1週間以内に亡くなるとのこと。今まで犬舎でも様々な子犬の死に出会った。内的要因のもの、落としてしまったなど外的要因のもの、はたまた原因のわからないものなどなど。原因不明のものは今後のために「どうしたことで起こるのか?今後どう注意すればよいのか?」と掛かりつけの獣医にたずねるが、「生き物の特質上確率の問題でどう注意しても防ぎようがない」との答え。なるほどそうなのだと納得。ワンコの場合で離乳期までの生存率が残り90〜70%、その後種々の疾患や事故での死亡などで何十%が亡くなるとすると、犬の寿命とされる13〜16歳くらいまで生涯を全うするワンコの確率はかなり低くなりそうである。人間の場合はワンコより医療研究が進んでいるとはいえ今や文明病とさえ言われる癌や交通事故、戦争その他で亡くなる確率は決して少ないとはいえない。犬でも人間でも「淘汰」の観点からするとなるほどと納得しない訳でもないのであるが・・・。人間一人が作られる過程で卵子1個と出会う精子の数は6000万〜1億個の内の1個と言われます。今この世に命を与えられ生きている私たちは何と大いなる確率の上に生を許されている生き物なのでありましょう!少なくともこの世に生きているだけで「超エリート」といえるのではないでしょうか? 折角与えられた命を自ら絶ってしまう輩の何と愚かなことか、人間にはその命を全うする義務があるのです。生きていることの確率を思う時、決して自分ひとりの力で「生きている」のではないこと、大いなる見えない力で「生かされている」こと、何らかの使命を持って、そして誰かの役に立つために生を与えられ、そして生かされていることをしみじみ思わされるのであります。
*不許転載*Copyright(C) 2001 S.Miyazawa
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